【プロが解説】トルコリラ「今が買い」とされる5つの理由

2025/06/21

3-2.高金利通貨としての魅力とスワップポイント

トルコリラは本当に「今が買い」なのか？

「トルコリラが安い」と耳にしても、実際に買うべきタイミングなのか疑問に感じる方は多いのではないでしょうか。結論から言えば、今は検討すべき絶好の機会だといえます。

なぜなら、過去にないほど金利が高く、トルコ経済に回復の兆しが見え始めているからです。2024年に入り、為替市場や専門家の間でも「今が底」と見る声が増加しています。

とはいえ、過去に急落した通貨だけに、不安を感じている方も少なくありません。「買ってもまた下がるのでは？」「他の通貨の方が安全では？」という声も当然です。

そこで本記事では、トルコリラが今なぜ注目されているのか、投資の根拠とその背景を分かりやすく解説します。投資初心者でも理解できるように、リスクや購入方法についても丁寧に紹介していきます。

この記事で分かること

過去と現在のトルコリラの為替状況
「今が買い」とされる5つの明確な理由
他の高金利通貨との違いや優位性
投資時に押さえておきたいリスクと回避策
トルコリラを安全に購入する方法と証券会社の選び方

トルコリラの現状と過去の推移を徹底解説

過去5年の為替推移と現在の水準

トルコリラは2018年から2023年にかけて、対円・対ドルで大幅な下落を続けてきました。特に2021年には1年で約45％下落するなど、通貨価値が急激に変動しています。2025年現在では1リラ＝約5円前後を推移しており、過去と比べて割安水準とされています。

年	対円レート（平均）
2019年	19.2円
2021年	13.5円
2023年	7.1円
2025年（現在）	5.3円

なぜ下落が続いたのか？主な要因を解説

トルコリラの下落には複数の要因があります。特にエルドアン大統領の独自の金融政策が市場の不安を招き、利下げが続いたことが大きな原因です。

金利を下げることでインフレが悪化
外貨準備高の減少
通貨防衛策の信用低下

政府介入による一時的な安定では、長期的な信頼は得られませんでした。

2024〜2025年の最新の金融政策とインフレ動向

2024年から中央銀行は方針を転換し、段階的な利上げと金融引き締め政策に着手しました。現在の政策金利は45.0%となり、インフレ率も70%から55%まで改善傾向にあります。

政策金利：2023年末 35.0% → 2025年初 45.0%
インフレ率：前年同月比で約15%改善
通貨安定化への期待感が市場に広がる

他国通貨と比較したトルコリラの割安感

現在のトルコリラは、実質実効為替レート（REER）で見ても著しく割安です。メキシコペソや南アフリカランドと比較しても、同等のリスクを取りながら得られるリターンが高い傾向にあります。

通貨名	2025年政策金利	インフレ率
トルコリラ	45.0%	55.2%
メキシコペソ	11.0%	4.8%
南アフリカランド	8.25%	6.0%

今後の為替見通しは明るいのか？

市場では2025年後半に向けてトルコリラの回復を期待する声が増えています。金融安定化が進めば、徐々に信頼を取り戻す可能性があります。

欧州との経済関係改善が進行中
中央銀行の独立性が回復傾向にある
短期的な上昇局面の可能性も視野に

ただし、政情不安や外部要因による急変動には引き続き注意が必要です。

今が「買い」とされる5つの理由

高金利政策の継続でスワップポイントが魅力的

現在のトルコ政策金利は45.0%と、世界の中でも極めて高い水準にあります。この高金利により、スワップポイントが非常に大きいのが特徴です。

1万通貨あたりの1日スワップ：300円前後（※業者による）
長期保有での収益期待が高まる
他の高金利通貨と比較しても利回りが高水準

ただし、為替損益とのバランスを見て投資判断を行う必要があります。

中央銀行のインフレ抑制に本腰

2023年後半から中央銀行の金融引き締め策が強化され、金利引き上げとインフレ抑制が本格化しています。

時期	政策変更内容
2023年9月	政策金利30%に引き上げ
2024年3月	さらなる利上げで45%に

市場では「ようやく金融政策が機能し始めた」と評価する声も増えています。

観光・輸出で経常収支が改善傾向

トルコは観光大国としての強みを活かし、2024年は観光収入が前年比20%以上増加しました。また、通貨安を背景に輸出産業も好調です。

観光収入：約570億ドル（2024年見込み）
主力輸出：自動車・衣料・食品など
黒字転換も視野に入る経常収支

IMF支援・欧州との経済関係強化の可能性

2025年に向けて、国際通貨基金（IMF）との連携やEUとの経済協定の強化が議論されています。これにより外貨準備の安定化や国際信用の向上が期待されています。

想定施策	期待される効果
IMF支援枠の設定	財政安定と金利支援
EU貿易優遇措置	輸出の促進と外貨流入

リスクを織り込み済みの価格水準

トルコリラは長期にわたる下落により、多くのリスクがすでに価格に反映されています。いわば「底値圏」にある可能性が高く、反発時には大きなリターンも期待できます。

過去10年で最安水準を記録
市場参加者の多くが割安感を指摘
中長期の資産形成を狙う投資家に注目されている

短期的なボラティリティに備えるリスク管理が前提となります。

トルコリラ投資のメリットとリスク

高金利通貨としてのスワップ収益

トルコリラは2025年現在、政策金利が45%と非常に高く、スワップポイントによる収益性が高い通貨として注目されています。特に長期保有することで、日々のスワップ収入を安定的に得られます。

1万通貨保有で1日あたり約300円のスワップ益（例：みんなのFX）
年間ベースで10万円以上のスワップ収入も可能
短期売買に比べリスクを抑えた運用が可能

短期トレードと長期保有、どちらが有利か？

トルコリラ投資では、スワップ収入を狙う長期投資が基本戦略です。ただし、市場が不安定な場合は短期トレードで為替差益を狙う手法も有効です。

投資スタイル	特徴
長期保有	スワップ中心／時間分散で為替リスク軽減
短期売買	値動きを狙う／テクニカル分析が重要

地政学リスク・政策リスクの考慮点

トルコリラには政治的な影響が大きく、突発的な下落リスクが常に存在します。特に政権交代や中東情勢の変化など、予測が難しい事象が為替に影響します。

過去には突然の利下げにより、1日で15%以上下落した事例もあります。

エルドアン政権の政策転換リスク
隣接国との外交摩擦の影響
クーデター・テロなどによる市場混乱

為替差損を防ぐ分散投資の戦略

為替リスクを抑えるためには、複数通貨や資産クラスへの分散が有効です。トルコリラ単体に集中せず、他の高金利通貨や株式などと組み合わせることで、全体のリスクを低減できます。

例：トルコリラ50%＋メキシコペソ30%＋日本株20%
スワップ収入の安定性と為替変動耐性を両立
資産配分を定期的に見直すことも重要

日本人投資家が注意すべき税制・規制

FXによるトルコリラ投資には税制面での注意も必要です。スワップ収益も課税対象となり、確定申告が必要です。

項目	内容
税区分	申告分離課税（税率20.315%）
対象収入	為替差益・スワップ益の合算
損益通算	他のFX損益との通算可能

また、海外FX業者を利用する場合は、日本の金融庁の規制対象外となることが多く注意が必要です。

他の高金利通貨と徹底比較！トルコリラの優位性

メキシコペソとの違いと選び方

メキシコペソは安定性が高く、スワップ狙いの通貨として人気があります。一方、トルコリラは高リスク高リターンの側面があり、上級者向けともいえます。

通貨	スワップポイント（10,000通貨）	変動性
トルコリラ	約300円/日	高い
メキシコペソ	約120円/日	低め

安定性を重視するならメキシコペソ、利回り重視ならトルコリラが有利です。

南アフリカランドとのリスク比較

南アフリカランドは資源価格の影響を大きく受けます。トルコリラは政治・金融政策が主要リスクです。リスク要因が異なるため、分散投資が有効です。

ランド：金・プラチナ価格に連動しやすい
トルコリラ：政策金利や地政学リスクが主因
双方を組み合わせることでバランスが取れる

ブラジルレアルとのインフレ特性比較

ブラジルレアルは過去にハイパーインフレを経験しましたが、近年は安定傾向にあります。対してトルコは2023年までの高インフレが続いていましたが、現在は抑制に成功しつつあります。

通貨	インフレ率（2024年）
トルコリラ	約55%
ブラジルレアル	約4.5%

スワップ狙いの投資対象としての安定性

トルコリラはスワップが高い反面、通貨自体の変動幅が大きいです。メキシコペソやランドのように安定感のある通貨と比べると、値動きリスクとのバランスをとる運用が必要です。

レバレッジを抑えた投資が安全
ポジションを分割して取得する方法も有効
スワップ狙いでも為替変動に備える意識が重要

為替ボラティリティの低減傾向はあるのか？

2024年以降、トルコ中央銀行の政策転換により、為替の乱高下はやや抑えられる傾向にあります。ただし、政治情勢や外部要因による影響は今後も無視できません。

年度	トルコリラの年内高安差（対円）
2021年	約9.8円
2023年	約4.5円
2024年	約2.1円（※6月時点）

過去のデータを見る限り、ボラティリティは低減傾向にあるといえます。

トルコリラの買い方とおすすめの証券会社

初心者にも分かるFX口座の選び方

トルコリラの取引にはFX口座の開設が必要です。初心者はスプレッドの狭さと操作性を重視して選ぶと安心です。

取引手数料が無料であること
スワップポイントが高水準で安定している
スマホアプリが使いやすいこと

レバレッジは最初は低め（2倍〜5倍程度）に設定するのが安全です。

トルコリラを扱う主要国内証券会社一覧

国内では多くのFX会社がトルコリラを取り扱っていますが、スワップポイントや約定力には差があります。

証券会社	特徴
みんなのFX	スワップが高く、初心者に人気
LIGHT FX	みんなのFXと同系列、スマホアプリが高評価
ヒロセ通商	キャンペーンが豊富で中級者向け

おすすめのFX業者とスワップ比較（例：みんなのFX、ヒロセ通商）

スワップポイントの差は長期保有において大きな影響を与えます。業者ごとに1日あたりの収益を比較しましょう。

FX会社	1日あたりスワップ（10,000通貨）
みんなのFX	約300円
ヒロセ通商	約270円

時期によって変動するため、公式サイトで最新のスワップ情報を確認してください。

購入タイミングとドルコスト平均法の活用

購入タイミングは重要ですが、為替は読みにくいため、ドルコスト平均法（定期購入）がおすすめです。

毎月一定額を自動で購入する方式
高値掴みや下落時の精神的負担を軽減
平均取得単価をならす効果がある

スマホアプリでの取引と管理のポイント

スマートフォンからの取引は日常的に行うため、アプリの使いやすさは重要な選定基準です。

ワンタップで注文が出せる操作性
リアルタイムでのスワップ・残高確認
アラート機能で為替変動に即応可能

特に「みんなのFX」や「LIGHT FX」はスマホユーザーからの評価が高いです。

よくある質問（FAQ）

トルコリラ投資は今からでも遅くない？

結論として、今からでも遅くはありません。2025年現在、トルコの金融政策は正常化へと向かっており、通貨安定化の兆しが出ています。また、スワップポイントは依然として高水準で、投資妙味があります。

政策金利：45.0%
インフレ率：ピーク時の70% → 現在約55%
為替レート：2025年6月時点で5.3円前後

どれくらいの資金が必要？

FXでは少額からでも取引が可能です。1万円程度から始められる業者も多く、初心者に適しています。

証券会社	必要証拠金（1万通貨）
みんなのFX	約2,500円（レバレッジ25倍時）
ヒロセ通商	約2,400円

ただし、為替変動を考慮し、実際には5,000円〜10,000円程度の余裕を持つのが理想です。

トルコリラはどれくらい下がる可能性がある？

過去には1日で15%下落したケースもあり、急激な値動きに備えることが必須です。ただし、2024年以降は金利政策の安定により、ボラティリティはやや低下しています。

2021年：年間下落幅約9円
2023年：年間下落幅約4円
2025年（予想）：2〜3円の変動幅が中心

レバレッジをかけすぎないことがリスク管理の基本です。

スワップポイントはどう計算される？

スワップポイントは各国通貨の金利差に基づいて決定されます。トルコの政策金利が高いため、日本円との金利差でスワップが発生します。

例：トルコ政策金利45.0% − 日本政策金利0.1% ≒ 差額約44.9%
1日あたり：1万通貨 × 年利換算44.9% ÷ 365日 ≒ 約300円

実際のスワップ額は業者ごとに異なるため、日々のチェックが重要です。

FXと外貨預金、どちらが有利？

スワップポイントを活用したい場合、FXの方が高利回りで有利です。ただし、リスクも高くなるため、目的に応じて選択する必要があります。

項目	FX	外貨預金
利回り	高い（スワップ）	低め
為替手数料	狭いスプレッド	広め
リスク管理	自己管理が必要	銀行が運用

利益が出た場合の税金はどうなる？

FX取引の利益は、申告分離課税（20.315%）が適用されます。年間の利益が20万円を超える場合は確定申告が必要です。

税率：一律20.315%（所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%）
スワップ収入も課税対象
損失が出た年は翌年以降3年間の損益通算が可能

税制の変更がある場合もあるため、年末には必ず最新情報を確認しましょう。

まとめ：トルコリラは「今が買い」といえるか？

トルコリラは、過去にないほどの高金利と政策の安定化が進んでおり、注目すべき投資対象となっています。2025年現在、スワップポイントの高さは他の高金利通貨を上回り、長期投資家にとっては収益性の高い選択肢です。

一方で、為替変動や地政学リスク、インフレの影響など、見過ごせない不安要素も存在します。「今が買い」かどうかは、投資スタイルとリスク許容度に応じて判断すべきです。

この記事で解説してきたように、

過去の為替推移と現在の割安感
中央銀行の政策姿勢と金利動向
他通貨との比較での優位性
実際の購入方法とおすすめの証券会社

これらの要素を複合的に検討することで、より納得感のある判断ができます。

最終的には「短期で利益を狙うのか」「長期保有でスワップを得るのか」、目的に応じた投資戦略を組み立てることが大切です。

リスクを理解した上で、戦略的にトルコリラへの投資を始めることで、資産形成の一助となる可能性は十分にあるといえるでしょう。