【初心者向け】トルコリラの通貨コード「TRY」とは？FX取引の基本を解説

2025/06/12

1-1.トルコリラとは？歴史と特徴

トルコリラの通貨コード「TRY」とは？初心者でもわかる通貨の基本知識

「トルコリラ」という言葉を聞いて、どんなイメージを持つでしょうか。FX取引で話題になるこの通貨には、特有の魅力とリスクが共存しています。なかでも「TRY」という通貨コードは、単なる略称ではなく、投資判断に欠かせない重要な要素です。

はじめてFXに挑戦する人にとって、トルコリラの仕組みを正しく理解することは、利益を出すための第一歩です。「TRYってどういう意味？」「他の通貨とどう違うの？」といった疑問は、多くの人が抱える共通の悩みです。

本記事では、初心者が安心して取引を始められるよう、トルコリラの基本から丁寧に解説します。筆者自身も初めてTRYに触れたとき、情報の少なさに戸惑いました。だからこそ、同じ目線で丁寧にお伝えします。

この記事で分かること

トルコリラの通貨コード「TRY」の正しい意味
トルコリラの基本情報と特徴
TRYがFX市場で注目される理由
初心者が理解すべきリスクとメリット
FX取引でトルコリラを扱う際のポイント

トルコリラの基本情報と特徴

トルコリラの概要と歴史

トルコリラ（TRY）は、トルコ共和国の法定通貨です。2005年に旧リラから切り替えられた「新トルコリラ」以降、現在の通貨コードTRYが使用されています。100クルシュで1リラという補助単位も存在します。

トルコは高インフレと戦いながらも、観光・農業・製造業などを背景に経済成長を続けています。そのため、リラの価値は常に国内外の政治経済情勢と密接に関連しています。

通貨コード「TRY」の意味と役割

通貨コード「TRY」は、ISO 4217によって定められた国際標準の通貨識別コードです。TRYは「Turkish Lira」の略であり、国際為替市場での識別やシステム管理に不可欠な要素です。

例えば、FX取引所では「USD/TRY」「TRY/JPY」のようにTRYが明記されており、通貨の識別ミスを防ぐ仕組みになっています。

トルコ経済とリラの関係性

トルコリラは経済指標や政策金利の影響を大きく受ける通貨です。特に、中央銀行の金利決定やインフレ率の発表後には、リラの為替レートが大きく変動することがあります。

実例として、2023年の政策金利変更時には、TRY/JPYがわずか数日で6%以上変動したケースもありました。

トルコリラの流通と主要使用国

トルコリラは主にトルコ国内で使用されていますが、北キプロス・トルコ共和国でも流通しています。また、欧州諸国に住むトルコ移民コミュニティではリラでの送金や決済も行われています。

海外旅行者向けにはリラ建ての価格表示も多く、為替レートによって旅行費用が大きく変わる可能性があるため、注意が必要です。

他通貨との違い（例：USDやEURとの比較）

トルコリラは、米ドル（USD）やユーロ（EUR）と比べてボラティリティ（価格変動）が大きいのが特徴です。短期間での上下が激しいため、スワップポイントを狙う投資家には注目されています。

通貨	ボラティリティ	政策金利（2025年現在）
USD（米ドル）	安定的	5.25%
EUR（ユーロ）	中程度	4.50%
TRY（トルコリラ）	高い	50.00%

TRYは高金利通貨ですが、変動が激しいため投資にはリスク管理が欠かせません。

FXにおけるトルコリラの注目ポイント

スワップポイントの高さと魅力

トルコリラは高金利通貨として知られており、スワップポイントの獲得を目的とした長期投資に人気があります。

たとえば、2025年5月現在の主要FX会社では、TRY/JPYで1万通貨あたり1日60〜80円のスワップポイントがついています。これは主要通貨と比べても非常に高水準です。

低金利通貨（例：JPY）と組み合わせた運用が効果的
長期保有によって複利効果が期待できる
資産運用の分散先として活用可能

トルコリラのボラティリティ（価格変動）の特徴

トルコリラは値動きが激しい通貨であり、短期間で大きな変動が起こる傾向があります。

2023年11月には、TRY/JPYがわずか3日間で6.8円から7.6円に上昇する急変動を記録しました。

日付	TRY/JPYレート	変動幅
2023年11月10日	6.80	-
2023年11月13日	7.60	+0.80円

短期取引では損失リスクも高いため、ロスカット水準の設定が不可欠です。

中東・新興国通貨としての位置付け

トルコリラは、新興国通貨の一つとして位置付けられており、他の先進国通貨とは異なるリスクとリターンがあります。

中東地域に位置する地理的要因や、NATO加盟国としての戦略的立場から、地政学リスクにも敏感です。そのため、国際情勢による急激な変動にも注意が必要です。

FX初心者がトルコリラを選ぶ理由

初心者にもトルコリラは人気があります。その理由は以下の通りです。

少額から始められる（1,000通貨単位の取引が可能）
高スワップによる利益実感が得やすい
為替チャートの動きが明確で学習しやすい

ただし、資金管理と損切りルールを徹底しないと、予期せぬ損失につながる可能性もあります。

長期保有と短期売買、どちらに向いているか

トルコリラはスワップ重視の長期保有に向いている通貨ですが、価格変動を利用した短期売買も可能です。

投資スタイルの比較は以下の通りです。

投資スタイル	特徴	注意点
長期保有	スワップポイントを安定的に得られる	急落時の評価損に注意
短期売買	価格差で利益を狙える	相場予測の精度が求められる

自身の投資目的に合わせて、戦略を柔軟に選択することが重要です。

トルコリラ/円（TRY/JPY）の取引における基礎知識

TRY/JPYの基本的な取引ルール

トルコリラ/円は、日本円でトルコリラを売買する通貨ペアです。国内のFX会社では、最小取引単位は1,000通貨から可能な場合が多く、初心者でも始めやすい取引ペアです。

通常は「買い（ロング）」でスワップポイントを得る戦略が中心となりますが、ボラティリティが高いため、相場の急変には注意が必要です。

レバレッジの使い方と注意点

FX取引では最大25倍のレバレッジを活用できますが、TRY/JPYのように値動きが大きい通貨ではリスク管理が重要です。

推奨レバレッジは5倍以内
証拠金維持率は200％以上を目安に
ロスカット水準をあらかじめ確認しておく

ハイレバレッジによる取引は、損失が拡大する可能性があるため慎重に行いましょう。

スプレッドと手数料について

TRY/JPYのスプレッドは、米ドルやユーロなどのメジャー通貨に比べて広めです。2025年5月時点の平均的なスプレッドは以下の通りです。

通貨ペア	平均スプレッド（pips）
USD/JPY	0.2
EUR/JPY	0.5
TRY/JPY	1.8〜2.5

このため、短期売買ではコスト負担が大きくなる点を理解しておく必要があります。

国内主要FX業者での取扱い状況

TRY/JPYは多くのFX業者で取り扱われていますが、スワップポイントや取引条件が大きく異なるため、比較が重要です。

FX業者	1万通貨あたりのスワップ（買い）	スプレッド（参考）
GMOクリック証券	85円	1.9pips
外為どっとコム	72円	2.1pips
ヒロセ通商	90円	2.3pips

TRY/JPYのチャートを見る際のポイント

トルコリラ/円のチャートでは、サポートラインとレジスタンスラインを意識した分析が有効です。

週足・月足チャートで中長期のトレンドを確認
MACDやRSIなどのオシレーター指標で売買タイミングを補足
経済指標発表前後の値動きに要注意

過去のチャートを見ると、政策金利の変更時に大きなトレンド転換が発生する傾向があります。

トルコリラ取引に潜むリスクとその対策

政治・経済の不安定性による影響

トルコは過去10年間で政権交代や憲法改正など大きな政治的変化を経験しています。これにより、市場が敏感に反応する傾向があり、為替レートの乱高下が発生しやすいです。

たとえば、2023年の選挙期間中にはTRY/JPYが1週間で8.1円から7.2円へと急落しました。

政治的イベント前後は取引を控える判断も必要です。

インフレ率と金利変動のリスク

トルコは長年高インフレが続いており、2024年の年間インフレ率は約60％に達しました。このため中央銀行は政策金利を頻繁に変更しており、金利発表日は為替が大きく動く要因となります。

年月	政策金利	変更幅
2024年7月	45.00％	+2.5％
2024年9月	50.00％	+5.0％

流動性の低さによるスリッページ

トルコリラは市場参加者が少ない時間帯や週明け早朝などに、取引が成立しにくいことがあります。その結果、希望価格で約定しない「スリッページ」が発生します。

スリッページを避けるためには流動性の高い時間帯での取引が推奨
指値注文や逆指値注文を活用して対応可能

急激な価格変動時の対処法

突発的なニュースや経済指標の発表後には、TRY/JPYが一時的に大きく上下するケースがあります。過去には1時間で1.2円の変動があった例もあります。

リスク管理として以下の対策が有効です。

事前にロスカット水準を設定する
経済指標カレンダーで重要日程を確認
ナンピン買いを避け、資金に余裕を持つ

リスクヘッジの具体的な戦略

トルコリラ取引では「高スワップ＝高リスク」であることを前提に、戦略的にリスクを抑える手法を取る必要があります。

戦略	内容	メリット
通貨分散	複数の通貨で資金を分散	一通貨への依存リスクを軽減
定期積立	毎月一定額で買い増し	平均取得単価を安定化
ストップロス設定	自動的に損切りを実行	致命的な損失を防止

これらを組み合わせることで、長期的な資産運用にも対応しやすくなります。

トルコリラと相性の良いFX戦略とは？

スワップ狙いの長期保有戦略

トルコリラは高金利通貨の代表格であり、スワップポイントを重視する投資家に人気です。長期保有によって日々スワップを積み重ねるスタイルが主流です。

2025年5月時点では、TRY/JPYで1万通貨あたり1日70〜90円のスワップが発生しています。年間で計算すると、25,000円以上の収益も見込めるケースがあります。

テクニカル分析による短期売買

トルコリラはボラティリティが高く、短期売買でも利益を狙いやすい通貨です。テクニカル指標との相性が良いのも特徴です。

RSIで過熱感をチェック
ボリンジャーバンドで反発の目安を把握
MACDでトレンド転換を確認

短期売買では損切りルールの徹底が重要です。

経済指標や地政学リスクを考慮したトレード

トルコの政策金利やインフレ率の発表時は、為替相場が急変動しやすいため、経済指標のスケジュール管理が不可欠です。

また、地政学リスク（中東情勢など）にも敏感であるため、突発的なニュースにも即応できる体制を整えておく必要があります。

重要発表前後の取引は控える、またはロット数を減らすなどの対応が推奨されます。

クロス円取引との組み合わせ

TRY/JPYは、他のクロス円通貨と組み合わせた運用も可能です。相関性を活かしてリスクヘッジが図れます。

通貨ペア	相関の傾向	活用方法
TRY/JPY	中〜低	高スワップで保有
AUD/JPY	中〜高	資源国通貨として分散
USD/JPY	高	ベンチマークとして分析

積立FXとの併用の可能性

TRY/JPYは積立FXとも相性が良く、毎月一定額で買い付けることでリスクを分散できます。平均購入価格を平準化できる点もメリットです。

ドルコスト平均法による長期戦略
自動積立で感情に左右されにくい
初心者でも継続しやすい運用方法

ただし、積立額は無理のない範囲に設定し、相場急変時には方針の見直しも必要です。

よくある質問（FAQ）

TRYとは何の略称ですか？

TRYは「Turkish Lira（トルコリラ）」の略称で、ISO 4217で定められた通貨コードです。通貨の識別に使用され、国際的な取引やFX口座の管理で必須の記号です。日本円はJPY、米ドルはUSDと同様に、TRYも世界共通の通貨記号となります。

トルコリラはなぜスワップが高いのですか？

トルコリラのスワップポイントが高い理由は、政策金利の水準が非常に高いためです。2025年現在、トルコの政策金利は50.00％であり、先進国通貨と比較して圧倒的に高水準です。

通貨	政策金利
TRY（トルコリラ）	50.00％
USD（米ドル）	5.25％
JPY（日本円）	0.10％

初心者がトルコリラで失敗しやすいポイントは？

多くの初心者が陥るのは、スワップだけに注目して価格変動リスクを見落とすことです。リラは値動きが激しく、短期間で大きく下落する場合があります。

レバレッジをかけすぎる
ロスカットを設定しない
資金管理が不十分

高スワップ通貨ほど、慎重な戦略とリスク分散が必要です。

トルコリラは今後どうなると予想されていますか？

今後のトルコリラの見通しは、トルコ経済の回復と政治の安定が鍵となります。市場では短期的に乱高下が続く可能性が高いと見られています。

一部のアナリストは、2025年末までにTRY/JPYが10円台に到達する可能性もあると予測していますが、これは経済指標や国際情勢に強く左右されるため注意が必要です。

TRY/JPYは他の通貨ペアと比べて稼ぎやすいですか？

TRY/JPYは高スワップを狙える点で魅力的ですが、稼ぎやすさは戦略と経験に大きく依存します。短期の値動きが大きいため、トレード経験が浅いと損失につながることもあります。

稼ぎやすさ＝高リスク高リターン
初心者は低レバレッジでスワップ狙いが安全
デイトレやスキャルピングには不向きな場合も

スワップポイントがマイナスになることはありますか？

はい、市場環境の変化やFX会社の方針によって、スワップがマイナスに転じることもあります。

実際、2022年には一部業者でTRY/JPYの買いスワップがマイナスとなった例もありました。主な原因は、為替差損リスクや取引コストの増加に伴う調整です。

スワップの条件は業者によって異なるため、事前に確認することが重要です。

まとめ：トルコリラ「TRY」の基礎を押さえてFXを始めよう

この記事では、トルコリラの通貨コード「TRY」について、初心者にも分かりやすく解説してきました。

TRYは高スワップ通貨として注目される一方、価格変動リスクも大きいため慎重な運用が必要です。基本情報からリスク、戦略、FAQまで網羅的に理解することで、安全かつ戦略的な取引が実現できます。

最後に、本記事の要点を箇条書きで振り返りましょう。

トルコリラの通貨コード「TRY」は国際標準規格に基づく
TRY/JPYは高スワップが魅力だが変動リスクも大きい
リスク管理にはレバレッジ制限やロスカット設定が有効
長期保有や積立FXなどの戦略も選択肢に入る
政策金利・経済指標・地政学リスクに常に注意を払うことが重要

まずは少額から始めて知識と経験を積みながら、トルコリラの魅力を活かした資産運用を目指していきましょう。